第1回全日本青魚トーナメント【２０１４年春期大会】結果　

～　会期　２０１４年　３／１５（土）～６／２９（日）　～

　　参加者28名（会員21名、一般7名）

大会結果

表彰式参加者

優勝
佐藤宏治（利根川青師軍団）
153ｃｍ

優勝カップ
（以降、持ち回り制）

【実行委員長総評】

160オーバーは記録されなかったが、期間中20本以上の釣果と、現在の利根川水系を代表するレベルの水準で終了、第一回としては上々のスタートといえよう。

◆本流の春の釣りはハクレンの遡上産卵状況がバロメーター。大会として設定した6月までという期間は、例年のデータから、佐原等の利根川下流部から産卵地をめざし断続的に遡上する魚群を、川幅の狭まる中流部（千葉県印西～茨城県取手ふきん＝河口から75ｋｍ～85ｋｍ）通過タイミングに検問をかけるイメージである。

例年ＧＷ～6月の梅雨時期にかけて主戦場となる利根川の当該エリアは、５月からにわかに盛り上がったが、ピークは長く続かず、６月頭の増水以降は気配が消え、短期の打ち止めとなった。今年の遡上のペースが早かったものと推測される。同時に魚の戻りも早かったとも推測されるが、その後も断続的な増水で釣りのコンディションが整わず、戻りの魚は拾いきれぬまま終了を迎えた。

※茨城県五霞町、埼玉県久喜市栗橋（旧栗橋町＝東北新幹線～国道4号線、河口から125～128ｋｍふきん）は、日本唯一の四大家魚共通の産卵地。淡水大魚釣りにとって極めて重要な聖地。同地の久喜市栗橋観光協会による観測では、今年は入梅と同時の大増水の翌日の6月10日にハクレンの産卵が確認されている。

◆江戸川では下流部で4本の成果。近年の不調からみれば上々といえる。釣果よりも特筆すべきは、今回、産卵遡上と同時タイミングでの大増水（関宿ふきんで4ｍ超）が、おそらく21世紀初の待望の水であること。10年以上も魚不足のための貧果にあえいできた江戸川だが、産卵直後の魚が“鬼門”である関宿水門を越えてかなりの成魚が江戸川に流入した可能性が濃厚。今夏以降は９０年代に見られた活況の再来が期待される。

◆水郷エリアでは、2000年代中期から鯉釣の外道としてたくさん針にかかり騒がせていたメーター未満の幼魚たちが、すでに120ｃｍ～の成魚に成長していることが今春の釣果から確認できる。本流志向の強い釣り人からはあまり人気がないが、160ｃｍ台と思われる利根川産の成長限界を超えるであろう中国揚子江のＤＮＡを持った魚たちは、その水域の豊穣さもあいまって、170オーバーを夢見る記録志向のマニアのひそかなターゲットとなっている。しかし、成熟しても産卵行動を行わない新しい魚群の習性・動き方に対するデータがまだ十分とはいえず、昨年まで各所でみられた局所での大釣りも魚の成熟とともに減少しつつある。引き続き本流とは違うアプローチ研究が課題。

※水郷の魚は、鯉ヘルペスにより壊滅した霞ヶ浦の鯉イケス養殖業の代替魚として中国からダイレクトに導入された稚魚が、市場開拓できず、結果として、霞ヶ浦に放棄されたもの。常陸利根川経由で北浦・逆浦まで拡散。その数は万を超えると思われる。

＜会員へのメッセージ【閉会式あいさつ要旨】＞

1.鯉とはまったく異なり、毎春100ｋｍの旅をする回遊魚であることを肝に銘じて、動き方を変えてほしい。

2.針にかけることだけでなく、かけてから、釣ってから後のことをキチンと考え、万全に備えること。

3.釣れないのは技術ではなく、魚がいないから。関宿を越えて魚が入りさえすれば、江戸川でも大型が釣れると認識してほしい。